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 宝塚月組公演 ルパン/Fantastic Energy! を見る
2013年09月21日 (土) | 編集 |
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 早いもので、星組公演の千秋楽からもう1ヵ月近く。宝塚公演がないと、いろいろ活動してはいるのですが、どうも更新が途絶えてしまいます(笑)。REONⅡの前にお仕事しておこうというのもあるんですけど。
 
 さて、昨日、秋の気配が漂う東京宝塚劇場で、月組公演ミュージカル「ルパン」とグランド・レビュー「Fantastic Energy!」を見て参りました。
 
 実はこの「ルパン」、紅会のお友達から「寝てしまった」と聞いてたので、ちょっと悪い予感はしていたのですが、それでも「エドワード8世」みたいなヒネりのある大人の作品が好きなので、期待もしてたんですよ。ところが、残念ながら、ランチをいっぱい食べてたせいか、途中の暗い場面でちょっとウトウト。

 月組生徒さん、ごめんなさい。歌にセリフが乗っていて、構成もややっこしいし、お稽古すごく大変だったと思うんですよ、でも・・・。もっとも、レビューはよかったので、救われました。特に、龍真咲さんの高速セリ上がりとセリ下がり、友達から「見てきてね」と言われていたのですが、「おお!」って感じで。お芝居もあれくらいスピード感があったらよかったんですけどね~。

 「ルパン」はフランスの人気小説「アルセーヌ・ルパン」の作家モーリス・ルブラン没後70年となる2012年に発見され話題となっている「ルパン、最後の恋」をいち早くミュージカル化した作品だそうです。プログラムのストーリーだけ読むと、すごく面白そうなんですよ。一番感動したのがプログラムの文章だったので、ちょっと引用してみますね。

 怪盗ルパンは死んだ---誰もがそう思っていた。だが、ある事件が死んだはずのルパンを地獄から呼び戻す。(中略)400万ポンドもの大金がロンドンからパリへ空輸されるという前代未聞の出来事にパリの街は沸いていた。受取人は父親であるレルヌ大公を謎の自殺で失った悲劇の令嬢カーラ。後見人と称する4人の取り巻きの男性たちと同じ屋敷で暮らす彼女はパリ中の噂の的だったが、カーラは周囲の好奇の目など気にもとめていなかった。4人の中に正体を隠したアルセーヌ・ルパンがいる、その人物を見つけ出して頼りにするように---大公の遺書にはそう記されていたのだ。そんな中、怪盗ルパンから400万ポンドの強奪を予告する挑戦状が届き、実際に金銭は忽然と姿を消してしまう。

 悲しみに暮れる美貌の令嬢カーラ(愛希れいか)は自身の出生の秘密を取り巻きの一人ヘアフォール伯爵(美弥るりか)から聞かされ、イギリス国王の後継候補オックスフォード公との結婚を勧められます。実は彼女が本当に愛しているのは、4人の中の一人、アルベール・ド・サリー大尉(本当はルパン・龍真咲)で、ルパンもカーラを愛しているのですが、怪盗であった過去を思うと彼女を愛するこはできないと、彼女の求愛を拒絶します。そうこうしているうちに、カーラとルパンは国際謀略に巻き込まれていくのです。

 このストーリーを読むと、血湧き肉踊る冒険活劇みたいな舞台を予想されると思うのですが、ルパンが作家モールス・ルブラン(北翔海峲)に自分の最後の恋を語るという展開にしたために、物語が入れ子構造になってしまい、テンポが悪くなっています。さらに、現代人はルブランだけで、ルブランの姿が見えるのはルパンだけという演出もわかりづらいです。

 どうせルブランを出すなら、ルブランをMCとしてルパンの紹介や死の顛末を語り、「本当は推敲の途中だから、この話は秘密にしておきたかったし、息子は約束を守って世に出なかったのに、孫娘が出版してしまって・・・」とか語ればわかりやすくなったと思うんですけどね。そうでなければ、ルブランを出すのはやめて、時系列にした方がすっきりしたと思います。

 ベテランの巨匠に申し上げるのは失礼だと思うし、正塚先生の大ファンがいることも承知していますが、個人の独断と偏見なのでご了承ください。とにかく、全てのキャラクターが編集者が言うところの「立っていない」状態なので、感情移入できる役がないんですよ。脇役もいろいろ出るのですが、「おいしい役」まで育ってないんですね。その原因の一つは推敲中の小説を脚色したので、もともとのキャラが磨き上げられていないからじゃないでしょうか。

 例えば、星条海斗さん演じるルパンを追う警部ジュスタン・ガニマールと憧花ゆりのさん演じる予審判事フラヴィ。この2役はお笑い系のキャラで、ちょっと暗めの舞台を明るく盛り上げる「おいしい役」のはずです。2人とも歌も演技もお上手なのですが、演技でなくキャラクターが中途半端で、大笑いとまでいきませんでした。

 凪七瑠美さんは4人の取り巻きの一人で実は英国諜報部員のドナルド・ドースンという物語の鍵を握る重要人物を演じていますが、美弥るりかさんと同じく、重要な役だけどしどころがない感じ。とても上手く演じてるし、歌も上手いのだけど、なぜか印象に残りません。お二人ともご苦労さまでした。

 何より問題なのは、主演のルパンとカーラの魅力がビビッドに伝わってこないことです。例えば、「うたかたの恋」だったら、令嬢マリーが皇太子からの手紙を読む場面に、彼女の性格とか、恋に恋する少女の可愛らしさが凝縮されてます。ルドルフだったら、いとこのジャン・サルバドルに「ヨーロッパを一つにしたいけど、武力には訴えない」とか語る場面で、何を理想としていたかがよくわかる。だから、父である皇帝に理想の実現を阻まれて、追い詰められていく状況がひしひしと伝わってきて、涙を誘うわけです。

 だけど、カーラは舞踏会で第三者が綺麗だとか、金持ちだとか、いい男4人と一緒に住んでて羨ましいとか語るだけで、小説で言うところの「説明文」になっちゃってるんです。彼女の行動とかセリフが魅力的であって欲しかったし、主人公のルパンは言うまでもありません。

 個人的には、物語というのは、国際的な謀略とか革命とかでスケールを大きくしなくても、キャラが立っていれば感動できると思うんですよね。例えば、「花より男子」なんて貧乏な女の子と大財閥の御曹司という昔から使い古された枠組みだけど、一つ一つのエピソードとキャラクターが掘り下げてあるから、「ありえない」とか「くだらない」とか思いつつ、いつの間にか主人公に肩入れして、最後まで見てしまうわけじゃないですか。

 半沢直樹にしても、立ちはだかる壁を知力と行動力で乗り越えていくところに拍手喝采するわけで、ましてやルパンは世界的な怪盗なのだから、半澤を超える爽快感が欲しかったですねぇ。「ロミオとジュリエット」が息つく暇もない緻密で濃密な作品だったので、余計そう思ってしまうのかもしれませんが・・・。

 小説は書き上げたときは5分くらいで、完成度は推敲にかかってるんですよね。それを知っているから、ルブランは出版を禁じたのに、舞台の上で一番悲しんでいるのは、ルブラン本人だったかもしれません。推敲の大切さを再認識させてくれたという意味では、見てよかった舞台です。

 余談ですが、組長の越乃リュウさんがこの公演で退団で、ルパンの乳母(飛鳥裕)の夫で発明家のヘリンボーンを演じておられます。色気のあるダンスの上手い男役で、ずっと宝塚におられると思っていたので、退団はショックでしたし、残念です。越乃さんの最後の舞台が見られたのはよかったと思っています。次の組長は飛鳥さんが就任されるようですね。


Fantastic Energy!
 中村一徳先生の「Fantastic Energy!」は月組の若さ炸裂といった感じで、踊りまくり、歌いまくる爽快感あふれる夏らしいショーでした。北翔さんの声が大好きなので、歌もいっぱい聴けたし、改めて龍さんって、歌は本当にお上手だわと思いました。

 きりやん(霧矢大夢)が歌が素晴らしかったので、月は歌という印象があるのですが、それが保たれているのは嬉しいことです。

 バウで主演していた珠城りょうさんは長身で美しく、咲妃みゆさんはロケットを先導して可愛らしかったです。この2人、「ルパン」の手下を演じていましたが、歌がお上手ですね。

 印象的だったのは、エトワールの琴音和葉さんの声が綺麗だったこと。声量があるとか、プリマドンナ風とかいうのではないのですが、とにかく、気持ちのよい声の持ち主で、もっとこの人の歌を聴いてみたいと思いました。
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