観劇・映画・ドラマ、ボルダリング、シーカヤック、健康法など、好きなこと、実践していること、興味のあることを徒然なるままに書いてみようと思います。
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 大空祐飛さん退団公演 「華やかなりし日々」
2012年07月02日 (月) | 編集 |
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 久々の更新。実は6月は舞台を4回、映画を2回見ているのだけど、死にもの狂いで遊ぶと死に物狂いで仕事することになるので、なんと更新が7月にずれ込むことに(泣。

 6月29日(金)、2回目のミュージカル「華やかなりし日々」を見た。ご存じのとおり、この公演を最後にトップスター大空祐飛さんは退団し、二度と舞台上であのクールな男役を見ることはできない。
 
 7月1日のラストショーに行きたかったのは山々だが、舞台もライブ中継も2回の抽選にあえなく落選し、自宅で仕事の原稿など書きながら、雨模様の梅雨空のごとく心の中で涙しながら見送る私であった。写真は東京宝塚劇場に飾られていたのをスマホで撮影したもの。階段に立ち止まって大勢撮ってたから、劇場に足を運ばれたみなさんは「ああ、あれね」と思われることだろう。

 さて、「華やかなりし日々」の感想だが、意外にも大空さんの美学をきっちり体現したウェルメイドな作品だった。作・演出の原田諒先生はこれが大劇場のデビュー作だそうで、正直、発表を聞いたときいは「そんな新人にやらせるなよ、サヨラナ公演を! 大失敗するに決まってるだろ」と怒り狂っていた私。同じ気持ちのファンは多かったと思うし、実際にそういう声はご本人の耳にも入ったはずで、ものすごいプレッシャーだったに違いない。でも、それがよい方向に作用して、よくある話ではあるんだけど、すべてにさじ加減が適当で、軽くておしゃれに仕上がっていた。原田、お手柄じゃ~。 
 「クラシコ・イタリアーノ」がよかっただけに、たくさんの人が「クラシコ・・・」でやめればよかったみたいなことを書いていたけれど、個人的には人情路線の「クラシコ」より、伏線がきっちり張られていて、脚本に緻密さのある「華やかなりし日々」の方が私は好きだ。もちろん、「クラシコ」ほど大空さんのスーツ姿のカッコよさを見せつけてくれた作品は他にないし、それは大いに評価しているのだけれども。

 まず、1927年というあと2年で世界大恐慌に入る前の好景気に沸いた狂騒のニューヨークという設定が華やかでいい。この時代は実際に宝石の鑑定技術が稚拙で、偽物が出回って随分騙された人がいたらしく、その現状を憂慮して1931年に設立されたのが世界で最も権威ある鑑定機関のGIAというわけで、それほどひどかったということだ。

 大空さん演じるロシアの亡命貴族を名乗る天才詐欺師のロナウドと孤児院出身のコーラスガール野々すみ花のジュディも自立心と上昇志向が旺盛で、底辺から這い上がった男と這い上がろうともがいている女という設定が二人に似合っていた。素顔のすみ花ちゃんは「クラシコ」で演じていた女優志望の純な田舎娘というキャラクターに近いのかもしれないけど、憑依体質の人なので、素とかけ離れた役、たとえば「トラファルガー」の人妻エマとかの方が魅力的だったりする。気の強いジュディというキャラクターも彼女の女優としての魅力を引き出していたと思う。
 
 それと、何より驚いたのが、すみ花ちゃんの歌が上手くなっていたこと!! もぐり酒場クラブ・ヴィーナスの場面は本当に堂々としていて、伸び盛りなんだなーっと思った。まだ若いのにここで辞めるのは本当に惜しいし、今の実力なら本格的なミュージカルに主演する姿も見てみた。だけど、「宝塚GRAPH」の対談でも「大空さんは私のすべてなんです!!」と言っていたから、次のトップと組むことは考えられないのだろう。その他、感じたことを羅列すると・・・。

 ・ジーグフェルドを演じた悠未ひろさん、歌もコミカルな演技も素晴らしかった。チャンスさえ与えられれば、とっても魅力的な男役さんなんだと再認識。こういう人が脇にいてくれると、トップはものすごくラクなはず。身長175センチの長身なので、本物の男性に見えるところもすごい。

 ・北翔海莉さんは大空さん演じる天才詐欺師の相棒ニック・ウェルズという役回りで、長年大空さんを支えてきた人だから、最後が敵役でなくてよかった。ただ、お金もちのはずなのに、恋人のキャサリンにまで偽のネックレスをプレゼントするのはどうかと思うけど、これは脚本の問題。北翔さんが歌いだすといつもほっとするくらい歌が上手くて、個人的には宙組にトップになって欲しかった。専科への異動はショックだろうけど、これからも応援してます~。

 ・マフィアのボス、キング・グラントの鳳翔大。綺麗な役じゃないので顔はよくわからなかったけど、ドスのきいたユーモラスな演技で笑いをとっていた。宙組は長身で綺麗な若手がたくさんいるけれど、こういう役をやれる人は貴重だと思う。

・ブルックリンの川岸でロナウドがジュウディに秘密を打ち明ける場面。マンハッタンの夜景を背景に、大空さんとすみ花ちゃんがブルー系の衣装を身にまとって重なり合う姿が美しかった! この二人のラブシーンを見るのはこれが最後かと思うと、名コンビだっただけに、切なさが胸に迫る。天才詐欺師で大富豪にまで成り上がった人物が簡単に自分の本名を人に言うかねと思うけど、そこはご愛嬌ということで。

 ・ラスト、大空さんが「男はつらいよ」の寅さんみたいに一人で後ろ姿を見せながら去っていくシーンが胸キュンものだ。ジュディとは深い関係にはならず、彼女を想いつつも「一人で」去るというのが、現実の大空さんと重なっていてよかったと思う。この場面は本人の希望を取り入れたのかな、などとと想像しながら見てしまった。

 大空さんとすみ花ちゃんは「カサブランカ」の時からずっと見ているが、演技に傑出したコンビだったし、幸運なことにずっと作品に恵まれてきた。大空さんはクールビューティと言われるが、単にお顔の作りが綺麗な人やスタイルのいい人は他にもいたはずだ。これまで「フェアリー路線が好きだったのに、どうして大空さんのファンになったんだろう」と自分でもその理由がわからなかったが、やはりこの人は論理的に自分が納得するまで役を分析して演じたプロフェッショナルな男役さんで、歌にしても、その役として歌っているから心に響いたじゃないかと思う。そういう真摯な姿勢が全身からにじみ出ていたから、そのオーラに惹かれていたのだと最後の最後に気づかされた。

 トップ男役はたくさんいるけれど、大空さんのように自分のスタイルを確立した人は多くない。
 20年間、本当にご苦労様でした。幸せな3年間をありがとう!


 ショー「クライマックス」は風莉じんさん他、退団者が大活躍した舞台だったので軽くながせず、感想は明日にさせて頂きます。ではでは、また明日。
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