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 「ベルサイユのばら --オスカルとアンドレ編--」(月組) を見る
2013年03月02日 (土) | 編集 |
ベルバラ

 3月1日、明日海りおさんの大ファンのお嬢さんにご尽力いただき、前から4番目という奇跡のようなよいお席で、四半世紀ぶりにベルサイユのばらを見ることができました。

 私にとってベルバラは、大ファンだった安奈淳さんのオスカルと榛名由梨さんのアンドレというコンビが永遠不滅の絶対的な存在で、実際に見るまでは、「昔何十回も見てるしなァ」という演目だったのです(プレミアチケットなのにゴメンナサイ)。ところが、「ごらんなさい♪ ごらんなさい♪ ベルサイユのバァ~アァ~ラァ~♪」と小公子・小公女が登場して歌いだすと、瞬く間に夢の世界へ。あっという間の2時間半でした。恐るべし宝塚、恐るべきベルバラ!!

 まずビックリしたのは、前半の脚本が昔と全く変わっていることでしたマリー・アントワネットが出て来ないのはブログを読んで知っていましたが、衛兵隊の隊員が貧しさゆえに銃や剣を売っていたり、全員が栄養失調にかかっていたりというエピソードが登場し、「パリの庶民の生活」が丁寧に描かれているのです昔は宮殿でのアントワネットとのやりとりや、フェルゼンに会いに女装して舞踏会に行くシーンなどがあったのですが、それらはカット。今の脚本は共産党推薦バージョンみたいで、原作に忠実とはいえ、やや違和感があったのですが、衛兵隊の荒くれ者・アランの星条海斗さんの演技が余りにも素晴らしいので、「これでよし!」と朝令暮改(笑)。

 もう一つ、「女のクセに」とか「化粧をしてどうこうしたら貴婦人のように美しくなるだろう」とか、セクハラまがいの発言がやたら多くなっていて、ちょっとひっかかりました。例えば、テニスのシャラポワみたいに180センチ位あって、筋肉隆々で剣の腕もたつ女性が上官だったら、そんなこと言わないと思うんですよね。実際、オスカルはアランより強いわけだから。

 とはいえ、そんなことが些細に思えるほど、夢いっぱいの、思いっきり楽しいベルばらでした。星組だと上背があって男性的なスターさんが多いので、例えば柚希さんがオスカルをやったりすると、アンドレが守らなくても十分強いオスカルになりそうな気がするんですよね(笑)。その意味では、中性的なタイプの多い月組はベルバラに向いてますね。以下に配役別の感想を述べて見ると・・・。

オスカル(龍真咲)
 私は彼女のファンではないのですが、一言でいって、すごくよかった! 「あ、やっぱりトップになるだけある」と感心するほど、抜群の安定感でした。女っぽすぎず、男にも見えず、ちょうど男と女のバランスがいいんですよね。口跡もよくて、やや早口だけど、軽やかで現代的な、魅力あるオスカルでした。テレビ中継で何人かのオスカルを見てきたけど、個人的には安奈オスカルに匹敵する高得点です。

アンドレ(明日海りお)
 オスカルの方が合うと思ってましたが、意外に黒髪のアンドレも似合ってました。
 プロローグで頭につけていたワイヤレスマイクが落ちるというアクシデントはありましたが、少しも慌てず(内心は焦ったと思うけど)、袖から普通のマイクをとってきて、カラオケ状態で乗り切るという冷静さに、なんとなくトップも間近かの貫禄のようなものを感じてしまいました。 素顔はフェミニンだけど、演技力のある人なので、意外と敵役とかアンドレのようなちょっと男くささを出した役の方が見ていて面白いんですよね。幅が広がっているので、もっといろいろな役を見てみたいと思わせるアンドレでした。

ロザリー(愛希れいか)
 娘役トップだけど、夫のベルナール役の美弥るりかさんといつも一緒のれいかちゃん。プロローグとショーで綺麗なドレスは着ているけれど、貧しい平民の役だし、出番も無理やり作った感があって、ちょっと気の毒でした。特に、最後の夜にジャルジェ家に忍び込んでいく場面は必要なかったと思います。完全なお邪魔虫ですよね。でも、キャラ的にアントワネット向きではないから、役には合っていましたね。若いのに歌がどんどん上手くなっていて、今の娘役の中では歌はトップレベルかも。Me And My Girlが楽しみですね。

アラン(星条海斗)

 いやぁー、冒頭でも述べましたが、星条さんは本当に芝居心のある人ですね。この演目の殊勲賞はこの人でしょう。お芝居をしてるんじゃなくて、その人に成りきっているのは、この人ただ一人じゃないかと思ったほど、アランの迫力はすごかったです。オスカルがアランに襲われそうな感じで、前の方で見ていて怖かったですもん。こんな逸材を、ロミジュリまで埋もれさせていたのは歌劇団の罪ですね。

ジェローデル(珠城りょう)
 上背があって、品があって、ひたすらカッコいいジェローデルでした。バウ主演も決まっているし、スターのオーラがありましたねぇ。フェルゼンよりカッコいいので、話の辻褄が合わないのですが、それは珠城さんの責任ではありません。

ベルナール(美弥るりか)
 低音の声がいい人なので、革命の闘士の力強さが出ていて、キャラ的には合っていてよかったと思います。歌もすごくお上手になった気がします。フィナーレで最初に飛び出してきたのが美弥るりさんと愛希れいかさんで、可愛くてお似合いでした。銀橋を歌いながら渡る姿が板についてきましたね。

ブイエ将軍(越乃リュウ)
 敵役ですけど、組長・越乃さんのブイエは上背があって堂々としていて、魅力的でした。憎々しくいじめないと、オスカルの苦しさが出てこないわけですが、その大役を立派に果たされていて、得難いジェンヌさんだと思います。この方、十分色気があって容姿も魅力があるので、いつか二枚目の色男をやって欲しいですね。

ジャルジェ夫人(花瀬みずか)
 今公演で退団される副組長の花瀬みずかさん。美しく、気品があり、フィナーレでエトワールをされていたほど歌もお上手。壇れいさんが娘役トップの時代、新人公演のヒロインを何度もつとめたほど、将来を嘱望されていました。ジャルジェ夫人というオスカルのお母さんの役をやっていてさえ、トップになってもおかしくない容姿と実力の人だったのにと、退団が惜しまれてなりません。どうかお幸せに。

マロン・グラッセ(憧花ゆりの)
 目立たないようで、実は場面を占める重要な役なのですが、憧花さんは役には若すぎた気がします。演技が弱いというか、お祖母さんに見えない。他のキャストがよかったので、ちょっと気になりました。

フェルゼン(紫門ゆりや)
 本来、フェルゼン編ができるほど重要な役のはずなのに、なぜか1場面しか出てこないフェルゼン。そのせいか、服装も地味で、セリフも「最後に友を失った」みたいな残念さで去ってしまいます。ロミジュリでパリス伯爵を素敵に演じていた紫門さんには余りに気の毒な役。フェルゼンはオスカルほどの女性が恋焦がれる男性なのだから、昔のバージョンのように、舞踏会でオスカルが女装して行くシーンを出すとか、もうちょっと二人の関係性を描くか、そうでないなら、出さない方がよかったのではないでしょうか。繰り返しますが、そう見えたのは紫門さんの演技力のせいではなく、脚本の問題です。

 昔はガラスの馬車は2階まで上がりませんでしたが、いまは天空を駆けて2階席の目の昇っていく趣向になっているので、豪華だなアと見とれてしまいました。

 宝塚初見の人に「何が見たい?」と訊くと、決まって「ベルバラ」と答えます。私は「どうしてロミオとジュリエットじゃダメなんだ!」と内心不満だったのですが、今日の公演を見て、仕方ないと得心しました。天に召された恋人が銀河からガラスの馬車に乗って迎えに来るなんて、宝塚以外、ありえない演出ですものね。

 長尺の原作を無理やり2時間半に仕立てているので、不自然なところや、おかしな演出も随所にあるのだけれど、それをネジふせる魅力がベルバラにはあるのです。初演を見ている人間としては、歌舞伎18番のように宝塚の宝に育ったベルバラを見て、感無量でした。できれば、明日海オスカルも見てみたいなあ、なんて考えています。

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