観劇・映画・ドラマ、ボルダリング、シーカヤック、健康法など、好きなこと、実践していること、興味のあることを徒然なるままに書いてみようと思います。
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 ミュージカル「ダンサ セレナータ」/ショー「Celeblity(セレブリティ)」
2012年07月28日 (土) | 編集 |

ダンスセレナータ

 ※12日マチネの感想を今ごろ書いてます。ゴメンナサイ。

 前回の星組公演「オーシャンズ11」で紅ゆずるさまの魅力にすっかりハマった私、柚木礼音さんはダンスの人だというし、夢咲ねねちゃんは長身でスタイルがいいしというので、この正塚晴彦作・演出の「ダンサ セレナータ」にはかなり期待するものがあった。
 物語はクラブのトップダンサーの青年イサアク(柚希礼音)と、オーディションを受ける友人についてやってきた娘モニカ(夢咲ねね)がひょんなことからダンスパートナーになり、それに革命が加わって展開される恋模様という、いかにも宝塚らしい設定なのだが・・・。

 このミュージカル、確かにダンスはよかったし、衣装もキレイで楽しめたのだが、個人的にどうしても気になったのが、いったいどこの国の話かさっぱりわからなかったこと。「バラの国の王子」みたいに童話風の話なら、私だってそんなこと気にならないのだが、ロンドンとかマルセイユとか実名がでてくるから、ついアルゼンチンだろうか、いや、でも踊りがタンゴじゃないみたいだしとか、見ている間中、ずっと気になって仕方なかった。

 しかも、夢咲ねねちゃんは一人だけ肌の色が黒いのに、植民地でお父さんはプランテーションを経営しているとかいう設定で、どうやらお金持ちのようだ。それなのに、その兄のアンジェロ(十輝いりす)は植民地からわざわざ領主国にやってきて、軍と一緒に革命を起こそうとしている。普通、現体制で資本階級にいる人は、「風と共の去りぬ」じゃないけど、革命がおこると一文無しになったり、逮捕されて絞首刑みたいな状況になることが多いのに、なんで金持ちのボンボンがそんな活動しているのか、どうも解せない(私の頭が悪いせいかもしれないが)。

 さて、愛する紅ゆずるさまの役はその革命を阻止しようとする秘密警察の中尉ホアキン役である。戦前の日本で言ったら特高の親分みたいな男で、部下を使って国家転覆を図ろうとしている人間たちを探り、逮捕して拷問したり、殺したりしている敵役なのである。
 ところが、オーシャンズ11」のベネディクトと違い、ホアキンははちょっと鬱屈しているというか、イサアクに会ったばかりなのに「おまえは俺に似ている」と言ったり、捕えたモニカを「おまえだから・・・」とか言ってイサアクに返してやったりして、やたらと好意的なのだ。アメリカ人とかが見たら、おそらく「こいつはゲイに違いない」と思うだろう。

 ナンバー2だけあって、嬉しいことに最後の最後まで出番があり、モニカをマルセイユまで船で逃がそうとするイサアクのところへピストルを持って追いかけてくるのだが、撃つかと思いきや「どうせすぐ革命が起こるから、今更おまえたちを撃っても無駄さ」みたいなことを言って立ち去って行くので、正直、見ている方は気が抜ける。
 何かしら信念をもって中尉になってるんだから、最後まであきらめずに一人でも殺すとか、革命軍と戦って戦死するとかしてくれれば、まだすっきりするんだけど、「おまえ、それでも軍人か!」と悪態の一つもつきたくなる腑抜けぶりではないか。
 別にとことん悪い奴だっていいのだ。そのキャラクターなりに、本人の中で整合性がとれていて、確信犯的にやっているのなら、十分魅力的なキャラになるし、演じる方も役作りがしやすいと思うのだが、どうもホアキンは中途半端の感をまぬがれない。

 むしろ、キャラクターとしてよかったのは、今公演で退団する涼紫央演じるクラブのバーテンダージョゼとクラブで最初にイサアクのパートナーだったアンジェリータの白華れみ。アンジェリーナが好きなのに、ずっと相手にされなかったジョゼだが、彼女のけががきっかけで、最後は結婚して主役二人よりも平凡な幸せを得るという設定。そして、最後にクラブが閉じるとの手紙を出して、主役二人の再会を演出するのもジョゼなのだ。もうちょっと早く手紙を出せばとも思うが、まあそれはいいとしよう。
 二人とも容姿も美しく、踊りも演技も上手いので、めぐりあわせが違っていたらトップになってもおかしくない実力の持ち主だっただけに退団はちょっと淋しい。涼さんはトップの柚希さんより学年が上なのに、ずっと温かく支えていた人で、トップにならなくても魅力的な舞台人になれるよいお手本になっていたと思う。素敵な人でした。ありがとう!!
 正塚先生の二人を送り出そうとする温かさが感じられて、好感がもてた。

 プログラムの解説によると、正塚先生はこの作品でトップ2人に新境地を開いてもらいたいと思ったそうだ。だから、「どこの国だか明確に設定しない」で過去に傷を抱えた男と秘密警察に追われる兄を持つ女という影のある複雑なキャラにしたのだろう。その志やよしなんだけど、なんとなくダンスシーンのために物語があるみたいな印象がぬぐえなかった。どうせなら、見る前にプログラムを読んでいたら、もうちょっとすっきり楽しめたかもしれなかったのに・・・。

 一緒に行った親友からは、「他の人は美しい二人が踊っている姿しか見てないのよ。そんなこと気にしてるのあなただけ」と言われてしまった。脚本の細部にどうしてもこだわってしまう私の性癖を恨むしかない。

 稲葉大地作・演出の「Celeblity(セレブリティ」は明るく華やかで、衣装がゴージャスで、現代的なところが星組にぴったりの作品だった。星はやはり明るいものが似合うような気がする。写真を見ると稲葉先生はまだ若手のようだが、センスがよくて楽しみだ。

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